イントロダクション(Introduction)

山田フォント_あらすじ

 

大正11年、冬。放浪の旅を終えた中浜哲(寺十吾)は、旧友、古田大次郎(廣川穀)と「ギロチン社」を結成。大企業への恐喝で資金を得ながらテロルを企てていた。
しかし、酒と色に溺れながら革命を目指す彼らを関東大震災が襲い、さらに大杉栄(川瀬陽太)が、戒厳令に乗じて虐殺される。復讐を誓う「ギロチン社」だが— —
最後に嗤うのはピストルと爆弾か、それとも国家か。そしてすべてを見はるかす謎の女性・松浦エミル(中村榮美子)は何を想って涙するのか。
時を越え、カフェー南天堂では盛大に音楽が鳴り響く— — !
主演は、劇団「少年王者舘」を中心に活動する中村榮美子、劇団「tsumazuki no ishi」を主宰する寺十吾の演技派。ギロチン社メンバーに廣川毅(新人)、吉岡睦雄ら若手を配し、佐野史郎、流山児祥、あがた森魚らベテランと、個性的 な演技で注目される川瀬陽太が脇を固めた。
また、天野天街(少年王者舘主宰)、つげ忠男、うらたじゅん、ジンタらムータw ith 黒色すみれ、白崎映美、原マスミ、シバ、宍戸幸司、知久寿焼、坂本弘道、伝説のパフォーマー・黒田オサムら、演劇、漫画、音楽界からのゲストも異彩を放つ。
【 2014年/138分/カラー/16 : 9/HD/3.0ch ステレオ 】

<シュトルム・ウント・ドランクッ>とは……
「疾風怒濤と訳す。18世紀後半、ドイツに起こった若いゲーテを中心とする革新的文学運動。理性中心の啓蒙主義に反対し、自然・感情・天才を重んじた。クリンガーの劇の題名に由来する」(広辞苑より)

★Introduction
In 1922 (Taisho 11), one year before the Great Kanto Earthquake of 1923, poor young anarchists gathered secretly…. In the year of 2013, the 90th anniversary of the slaughter of a prominent thinker and activist of Taisho era Osugi Sakae and the Great Kanto Earthquake, widely known director Suzuki Seijun’s long-cherished wish was finally realized by the highly appraised cinematic poet Yamada Isao. In the upheaval of the Taisho era, youths who dreamt of revolution organized an anarchist organization called “Guillotine Society” to build a world of maximizing personal freedom. But the funds of their activities mostly came from blackmailing big corporations and all of their attempts at terrorism failed… Yamada demonstrates his unique world view in his depiction of the youth as they actually lived and their sentiments. The title “Sturm und Drang” comes from an innovative movement in German literature, as typified by young Goethe, taking place in the latter half of 18th century.

★The Story
In the winter of 1922 (Taisho 11), a poet and social activist Nakahama Tetsu (Jitsunashi Satoru) returned from a wandering journey to reunite with Furuta Daijiro (Hirokawa Takeshi) and other comrades. They organized an anarchist organization “Guillotine Society” dreaming of revolution. For their ideal, they targeted the Prince of Wales who visited Japan, but failed in all their attempts. Matsuura Emile (Nakamura Emiko), a soba selling mysterious woman with all foreseeing eyes, comes and goes before them. In September of 1923 (Taisho 12), under martial law, anarchists Osugi Sakae (Kawase Youta) and Ito Noe (Kawada Natsumi) whom members of Guillotine Society adored were taken by Captain Amakasu of the military police, and killed. When they learned of the murder, members of Guillotine Society swore vengeance, and rose up… Then, transcending time, at a cafe, music rings loud….

★Staff and Cast
Director Yamada Isao started his career at an experimental theatrical troupe “Tenjo Sajiki” of Terayama Shūji. He designed arts and costumes for movies Terayama directed. His first feature film “I’ve Heard the Ammonite Murmur” (1992) was invited to the International Critics’ Week of Cannes Film Festival, and he has made over 100 movies, mainly 8mm films. In 2004, his movies were featured in the International Short Film Festival Oberhausen. He is highly appreciated abroad. The cast members are not only strong and/or unique actors and actresses, but also various musicians, performers, and cartoonists. Members of a theatrical company “Syonen Oja Kan” are involved in this movie as both staff and cast. Its chairperson Amano Tengai is also known as a director of a masterpiece short movie “Twilights” (1994) which was recognized at the International Short Film Festival Oberhausen.

 

山田フォント_時代背景

 

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嗚呼、理想よ。幻想よ。極彩色の「ギロチン社」が、いま甦る。

 

★関東大震災の前年、貧しく哀しいアナキストが人知れず集結した。「所詮、この世を馘になった身」とうそぶく男たち。彼らこそ、大正の日本を震撼させるべく立ち上がった無政府主義結社「ギロチン社」である。 「ギロチン社」は、この世を全否定しつくす修羅の道を行く。破壊された大地でしか頭をもたげぬ、創造の芽のため。理想に生き、理想に死ぬため……。

金と酒、そして白粉の匂いに溺れた「ギロチン社」の理想と幻想が、今、大正の空気もそのままにスクリーンに立ち上る。身を切る叫びに包まれた青春活劇をとくとご覧あれ!杯を空けろ、最期の一杯だ!この身の恥辱を拭い、朝まで叫び踊れ!シュトルム・ウント・ドランクッ!

 

★海外での評価も高い、センチメントを切り取る映像詩人・山田勇男が、若き大正無政府主義者たちのエピソードを本歌取りし、独自の世界を表現。死を呑み下した男女の「たまさかの美」を、匂い立つ映像美で物語る。

 

★やがて悲しき「ギロチン社」——ある結社の誕生と終焉

<大正11年/1922年>
・2月 中浜哲、小作人社の古田大次郎と再会。
・4月 中浜、古田、訪日中の英国皇太子の襲撃を企むも断念。
『めげてもしょうがないよ、大さん。気抜けしちゃあいられない』
・秋 早稲田に一軒家を借り、「ギロチン社」創設
『この世から首になった連中ばかりだ、ギロチン社という名はどうかな? 洒落てるだろう』

<大正12年/1923年>
ギロチン社メンバーが警察に検挙され、中浜、古田らは身を隠す。
・8月14日 古田、鐘ケ淵紡績恐喝。 大金を得る
・9月1日 関東大震災
軍警、震災に乗じて社会主義者らを殺害。甘粕大尉、大杉栄ら3名殺害。
復讐として田中勇之進が甘粕大尉の弟、五郎を襲撃。殺人未遂。
『死ねよ、死んでくれ』
・10月16日 古田ら、十五銀行小阪出張所の銀行員を襲い、銀行員を刺殺。現金強奪は失敗。
『駄目だ! 引き上げろ』
・11月 古田、中浜ら朝鮮京城へ。義烈団と接触し、爆弾、拳銃の購入を申し込むが入手できず。

<大正13年/1924年>
・3月30日 中浜、実業同志会事務所から出たところを恐喝犯として逮捕。
『トラック一台分の警官じゃ、手も足も出やしない』
・7月 古田は東京上蛇窪の家へ移り自身で爆弾製造。
7/19谷中の共同便所、28青山墓地を爆破。
・9月1日 和田久太郎、本郷燕楽軒前にて福田雅太郎大将を狙撃するも失敗。逮捕。
『命がけでぶっ放したピストルが空だったとはなあ』
・9月3日 古田・倉知、和田が留置されていた本郷本富士署へ爆弾を投げるも不発。
『こんなご時世にこんなことをして!』
・9月6日 古田、代々木の福田雅太郎大将邸へ小包爆弾を届る。爆発するも怪我人無し。夜、東海道線爆破未遂。さらに翌日、銀座の電車軌道を爆破。
・9月10日 古田、村木源次郎、逮捕。
『計ったな、チクショーッ』『大杉の命日まで待つんじゃなかった…』
・9月28日 倉地啓司(36)逮捕

 

◇ 中浜哲 死刑(1926年4月15日没 享年29)
◇ 古田大次郎 死刑(1925年10月15日没 享年25)
◇ 和田久太郎 獄中自殺(1928年2月20日没 享年35)
◇ 村木源次郎 予審中仮出獄後、病死(1925年1月24日没 享年35)
◇ 倉地啓司 懲役十二年(1935年出所、1960年3月5日没 享年69)
◇ 仲喜一 懲役十五年(1934年出所、1975年没 享年74)
◇ 小西次郎 無期懲役(1940年頃仮出所、没年不明)
◇ 河合康左右 獄中病死(1943年4月8日頃没 享年44)
◇ 田中勇之進 懲役八年(出所年不明、1966年11月9日没 享年62)